生薬図鑑

漢方薬を構成する個々の生薬について、妊活における役割・特徴・配合される漢方薬を薬剤師が解説します。

収録生薬 56

丁子(ちょうじ)

丁子

ちょうじ

丁子はフトモモ科チョウジの開花前のつぼみを乾燥した生薬で、香辛料のクローブと同じものです。強い芳香で胃腸を温め、冷えによる吐き気やしゃっくり、腹痛を鎮め、腎を温める働きもあります。

檳榔子(びんろうじ)

檳榔子

びんろうじ

檳榔子はヤシ科ビンロウの成熟した種子を乾燥した生薬です。気を下に降ろして胃腸の張りやつかえを取り除き、水の巡りを促す働きがあり、古くは寄生虫の駆除にも用いられました。

芒硝(ぼうしょう)

芒硝

ぼうしょう

芒硝は硫酸ナトリウムを主成分とする鉱物性の生薬です。腸内に水分を引き込んで硬い便を軟らかくし、大黄と組んで熱を伴う便秘を解消します。

牡蛎(ぼれい)

牡蛎

ぼれい

牡蛎はカキの貝殻を乾燥した生薬で、炭酸カルシウムを主成分とします。竜骨と組んで高ぶった神経を鎮め、寝汗や動悸を止め、しこりを柔らかくする働きも持つ、鉱物性の安神薬です。

竜骨(りゅうこつ)

竜骨

りゅうこつ

竜骨は大型哺乳類の骨の化石を用いる鉱物性の生薬で、主成分は炭酸カルシウムです。重い性質で高ぶった心を鎮め、精神を安定させるほか、汗や下痢など「漏れ出るもの」を引き締める働きがあります。

阿膠(あきょう)

阿膠

あきょう

阿膠はロバの皮を長時間煮出して濃縮し、板状に固めたゼラチン質の生薬です。血を補い、出血を止め、身体を潤す働きがあり、古くから婦人科の要薬として、貧血や不正出血、乾燥に用いられてきました。

遠志(おんじ)

遠志

おんじ

遠志はヒメハギ科イトヒメハギの根を乾燥した生薬です。心と腎のつながりを整えて精神を安定させ、もの忘れや不眠、動悸を和らげるほか、痰を除いて胸のつかえを取る働きもあります。

酸棗仁(さんそうにん)

酸棗仁

さんそうにん

酸棗仁はクロウメモドキ科サネブトナツメの種子を乾燥した生薬です。肝と心の血を養って心を落ち着かせる代表的な安神薬で、寝つきの悪さや眠りの浅さ、動悸、寝汗に用いられます。

竜眼肉(りゅうがんにく)

竜眼肉

りゅうがんにく

竜眼肉はムクロジ科リュウガンの果肉を乾燥した生薬で、ライチに似た甘い果実です。血を補い、心と脾を養って、考えすぎによる疲れ・不眠・もの忘れを和らげる、食べ物に近い滋養の生薬です。

地骨皮(じこっぴ)

地骨皮

じこっぴ

地骨皮はナス科クコの根皮を乾燥した生薬です。実は枸杞子として知られる同じ植物で、根皮は体力の消耗によって内側にこもった「虚熱」を冷まし、ほてり・寝汗・微熱を鎮めます。

蓮肉(れんにく)

蓮肉

れんにく

蓮肉はハスの成熟した種子を乾燥した生薬で、蓮子とも呼ばれます。胃腸を養って下痢を止め、腎の力を固め、心を落ち着かせて不安や不眠を和らげる、穏やかな滋養の生薬です。

猪苓(ちょれい)

猪苓

ちょれい

猪苓はサルノコシカケ科チョレイマイタケの菌核(地中の塊)を乾燥した生薬です。茯苓と同じきのこの仲間で、茯苓より利尿作用が強く、余分な水分と熱を穏やかに尿として排出します。

木通(もくつう)

木通

もくつう

木通はアケビ科アケビなどのつる性の茎を輪切りにして乾燥した生薬です。水の通り道を開いて余分な水分と熱を尿として排出し、経絡の詰まりを通して痛みや巡りの悪さを和らげます。

細辛(さいしん)

細辛

さいしん

細辛はウマノスズクサ科ウスバサイシンなどの根と根茎を乾燥した生薬です。辛味が強く、身体の深部を温めて冷えを追い出し、痛みや鼻水を止め、肺にたまった冷たい水を散らします。

白芷(びゃくし)

白芷

びゃくし

白芷はセリ科ヨロイグサの根を乾燥した生薬で、独特の芳香があります。体表の冷えを散らし、頭痛や鼻づまり、身体の痛みを和らげるほか、湿気を除いておりものを整える働きもあります。

黄柏(おうばく)

黄柏

おうばく

黄柏はミカン科キハダの樹皮からコルク層を除いた鮮やかな黄色の生薬です。主成分ベルベリンによる強い苦味を持ち、下半身にこもった熱と湿気を取り除き、炎症を鎮めます。

升麻(しょうま)

升麻

しょうま

升麻はキンポウゲ科サラシナショウマなどの根茎を乾燥した生薬です。名前のとおり気を上に引き上げる作用があり、内臓下垂や倦怠感に用いられるほか、熱や毒を発散させる働きも持ちます。

蘇葉(そよう)

蘇葉

そよう

蘇葉はシソ(赤ジソ)の葉を乾燥した生薬で、紫蘇葉とも呼ばれます。芳香で気の滞りをほぐし、胃腸の働きを整え、軽い冷えや初期の風邪にも用いられます。

薄荷(はっか)

薄荷

はっか

薄荷はシソ科ハッカの地上部を乾燥した生薬で、清涼感のある香りの主成分はメントールです。こもった熱を発散し、気の巡りを軽やかにして、頭や目、のどの重さをすっきりさせます。

釣藤鈎(ちょうとうこう)

釣藤鈎

ちょうとうこう

釣藤鈎はカギカズラ類の、かぎ状のとげを付けた茎を用いる生薬です。高ぶった「肝」の働きを鎮め、緊張・いらだち・めまい・けいれんを和らげます。

乾姜(かんきょう)

乾姜

かんきょう

乾姜はショウガの根茎を乾燥した生薬です。生姜より温める力が強く、胃腸を芯から温めて、冷えによる腹痛や下痢を和らげます。

麻黄(まおう)

麻黄

まおう

麻黄はマオウ類の地上茎を用いる生薬で、エフェドリンを含みます。発汗を促して身体表面の寒さを発散し、咳を鎮め、水分の停滞を除きます。

大黄(だいおう)

大黄

だいおう

大黄はダイオウ類の根茎を用いる生薬です。強い瀉下(便通)作用で腸の停滞を除き、こもった熱や血の滞りを排出します。

牛膝(ごしつ)

牛膝

ごしつ

牛膝はイノコズチ類の根を用いる生薬です。血行を促して瘀血を除くとともに、肝腎を補って腰や膝を丈夫にします。血を下方向へ導く性質があります。

厚朴(こうぼく)

厚朴

こうぼく

厚朴はホオノキ類の樹皮を用いる生薬です。気の滞りを巡らせ、お腹の張りや、のどのつかえ、湿による重だるさを和らげます。

木香(もっこう)

木香

もっこう

木香はモッコウ(キク科)の根を用いる芳香性の生薬です。気の巡りを整え、お腹の張りや痛み、消化不良を和らげます。

白朮(びゃくじゅつ)

白朮

びゃくじゅつ

白朮はオケラ類の根茎を用いる生薬で、蒼朮と近縁です。胃腸(脾)の働きを高めて元気を補い、余分な水分を除きます。

黄連(おうれん)

黄連

おうれん

黄連はオウレンの根茎を用いる、鮮やかな黄色で苦味の強い生薬です。過剰な熱を冷まし、炎症やいらだち、のぼせを鎮めます。

車前子(しゃぜんし)

車前子

しゃぜんし

車前子はオオバコの成熟した種子を用いる生薬です。余分な水分を尿として排出し、むくみや排尿トラブル、目の充血などを和らげます。

麦門冬(ばくもんどう)

麦門冬

ばくもんどう

麦門冬はジャノヒゲの根の膨らんだ部分を用いる生薬です。身体の潤い(陰)を補い、から咳や口の渇き、ほてりを和らげます。

桃仁(とうにん)

桃仁

とうにん

桃仁はモモの種の中の仁(種子)を用いる生薬です。血の滞り「瘀血(おけつ)」を取り除いて血行を促し、腸を潤して便通を助けます。

附子(ぶし)

附子

ぶし

附子はトリカブトの子根を加工して減毒(修治)した生薬で、身体を強く温める代表的な生薬です。強い冷えや痛み、新陳代謝の低下を改善します。必ず加工されたものを用います。

陳皮(ちんぴ)

陳皮

ちんぴ

陳皮はウンシュウミカンなどの成熟した果皮を乾燥・熟成させた生薬です。気の巡りを整え、胃腸の働きを助けて、消化不良やお腹の張り、痰を和らげます。

桂皮(けいひ)

桂皮

けいひ

桂皮はクスノキ科の常緑高木ケイ(肉桂)の樹皮を乾燥した生薬で、香辛料のシナモンの近縁です。身体を芯から温め、血行を促し、気の巡りを整える作用があります。

呉茱萸(ごしゅゆ)

呉茱萸

ごしゅゆ

呉茱萸はゴシュユの果実を用いる生薬で、身体を強く温め、冷えからくる痛みや吐き気を鎮めます。

香附子(こうぶし)

香附子

こうぶし

香附子はハマスゲの根茎を用いる生薬で、停滞した気を巡らせ、月経を整える作用があります。「気病の総司、女科の主帥」と称されます。

半夏(はんげ)

半夏

はんげ

半夏はカラスビシャクの塊茎を用いる生薬で、停滞した水(痰飲)を除き、吐き気を鎮める作用があります。

黄耆(おうぎ)

黄耆

おうぎ

黄耆はマメ科キバナオウギ等の根を用いる生薬で、気を補い、体表を固めて汗の漏れを防ぎ、体力を高めます。

大棗(たいそう)

大棗

たいそう

大棗はナツメの果実を用いる生薬で、胃腸を養い、気血を補い、処方を穏やかに調和させます。

生姜(しょうきょう)

生姜

しょうきょう

生姜はショウガの根茎を用いる生薬で、胃腸を温め、吐き気を抑え、他の生薬の働きを助けます。

山梔子(さんしし)

山梔子

さんしし

山梔子(梔子)はクチナシの果実を用いる生薬で、こもった熱やイライラを鎮める作用があります。

黄芩(おうごん)

黄芩

おうごん

黄芩はシソ科コガネバナの根を用いる生薬で、こもった熱や炎症を冷ます清熱薬です。

柴胡(さいこ)

柴胡

さいこ

柴胡はセリ科ミシマサイコの根を用いる生薬で、停滞した気を巡らせ、緊張やこもった熱をさばく作用があります。

甘草(かんぞう)

甘草

かんぞう

甘草はマメ科カンゾウの根を用いる生薬で、諸薬を調和させ、痛みやけいれんをやわらげる作用があります。最も多くの漢方に配合される生薬です。

山薬(さんやく)

山薬

さんやく

山薬はヤマノイモの根茎を用いる生薬で、脾(消化)と腎の両方を穏やかに補います。

山茱萸(さんしゅゆ)

山茱萸

さんしゅゆ

山茱萸はミズキ科サンシュユの果肉を用いる生薬で、腎の働きを引き締め、漏れを防ぐ作用があります。

蒼朮(そうじゅつ)

蒼朮

そうじゅつ

蒼朮はキク科の植物の根茎を用いる生薬で、胃腸を整えながら余分な水分を除く作用があります。

沢瀉(たくしゃ)

沢瀉

たくしゃ

沢瀉はオモダカ科の植物の塊茎を用いる生薬で、余分な水分を排出する利水作用に優れます。

牡丹皮(ぼたんぴ)

牡丹皮

ぼたんぴ

牡丹皮はボタンの根の皮を用いる生薬で、血の熱を冷まし、滞った血(瘀血)を除く作用があります。

川芎(せんきゅう)

川芎

せんきゅう

川芎はセリ科の植物の根茎を用いる生薬で、血を巡らせ、痛みをやわらげる活血薬です。当帰とともに婦人科系漢方の要となります。

桂枝(けいし)

桂枝

けいし

桂枝はクスノキ科のケイ(シナニッケイ等)の若枝を用いる生薬です(樹皮は桂皮)。身体を温め、血行を促し、気の巡りを整えます。

茯苓(ぶくりょう)

茯苓

ぶくりょう

茯苓はマツの根に寄生する菌の菌核を用いる生薬です。余分な水分を巡らせて排出し、胃腸を整え、精神を安定させる作用があります。

人参(にんじん)

人参

にんじん

人参(薬用人参)はウコギ科の植物の根を用いる代表的な補気生薬です。気力・体力を補い、胃腸の働きを高めます。食用のニンジン(セリ科)とは別物です。

地黄(じおう)

地黄

じおう

地黄はゴマノハグサ科の植物の根を用いる生薬です。血を補い、身体に潤いを与え、腎の働きを支えます。加工法により乾地黄・熟地黄に分かれます。

芍薬(しゃくやく)

芍薬

しゃくやく

芍薬はボタン科の多年草の根を用いる生薬で、血を養い筋肉のこわばりや痛みをやわらげる作用があります。婦人科系の漢方に広く配合されます。

当帰(とうき)

当帰

とうき

当帰はセリ科の多年草で、その根を乾燥させたものが生薬として使われます。「婦人の聖薬」とも呼ばれ、血を補い血行を促進する作用があります。妊活においては、子宮や卵巣への血流を改善し、ホルモンバランスを整える重要な生薬です。

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